往来物データベース(柱)

  完成するまで数年はかかる予定です。気長にお待ち下さい。

下は「往来物解題辞典」の例ですが、「往来物総目録」にも簡単な解題を付記する構想を持っています。

世話用文章せわようぶんしょう [2139]
〈図画出処〉世話用文章 【作者】苗村丈伯作・序。【年代】元禄五年(一六九二)刊*[京都]佐野九兵衛板。また別に[京都]佐野彦三郎板あり。【分類】消息科(節用集)。【概要】異称「世話字用文章」「世話字節用集」(下巻)。三巻三冊。世話字を多用した消息文(上・中巻)と、「世話字節用集」(下巻)からなる往来節用集。上・中巻は庶民世俗の諸事を題材に、「震動雷電(しだらでん)」「不落離(ぶらり)」「鼠栗々々(そろそろ)」といった俗語(世話字)を多く用いた手紙文をそれぞれ二六通、二三通ずつ、合計四九通収録し、頭書に要語略注と挿絵を加えたもの。いずれも大字で綴り、ほとんどの漢字に読み仮名を付す。また、うち中巻一通は準漢文体の文章でありながら「かしく」で終わる特異なスタイルになっている。なお、下巻「世話字節用集」は、通常の「節用集」にも載らないような世話字だけを集めた語彙集で、乾坤・人倫・支体・気形・生植・衣食・器財・言語と碁双六将棊詞字の九門に分類して掲げ、さらに頭書に、そのいくつかの語句について注釈や図解などを施してある。なお、本書の改題本に寛延元年(一七四八)刊「世話字用文千歳袋」†がある。また、本書の女性版である前田さわ作「女世話用文章」†が元禄一三年(一七〇〇)に刊行されている。〔小泉〕【所蔵】国会・東大・玉川大・小泉ほか。【影印・翻刻】「節用集大系」二五巻/「往来物分類集成」R一八/「江戸時代流通字引大集成」R二八・二九/「近世文学資料類従・参考文献編」九巻/「稀覯往来物集成」二七巻。