トミー先生の原稿拝借!!です
1998/01/13


  第3弾でお届けした、モン・サンミッシェルのオムレツのお話し、そして 羊料理の
  専門的な解説。。。。うーーん!!モモも勉強になりましたあああ。

**トミー先生が、3月にフランスを訪れる学生さんたちに向けて書かれた
  今回の原稿で  す。ちょっと拝借をお願いしました!!!****

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       逢花打花///花に逢えば。花をたす!!!

                トミー先生(小林トミ子先生)

 「オムレツ」この4文字に何故か暖かく、おしゃれな響を昔から感じあこがれておりました。
 ところはフランスのモン・サンミッシェル、時は夕暮れ、師走もおしつまりの頃。
ホテルの玄関前にかまどの火はあかあかと燃え、長い板の分厚い銅のフライパンを握り、少し肥めのコックさんたちが威勢良く卵を焼いていました。
 傍らで、これまた大きな銅ボールに割り入れた卵を泡立て器で手だけでなく、足も胸も、全身をふるわせ、卵がクリーム色になるまで、タン、タン、タン、タン、タタタタ、タンとリズミカルに泡立てていました。長さ30cmものフットボール形の大きなオムレルが次から次へ焼き上げられ、プラターの上で黄金色に輝き、道行く人は誰しも憧憬と賞賛の念を持って足を止めて見つめていました。
 これがあのオムレット、ムースリーヌ(ふわふわオムレツ)かと合点、その原形だったのです。
 その夜のディネーの主役は「ムートン、ドゥ、プレ、サレ」ムートンは羊、プレは牧場のことでサレは塩味のついたという意味です。なだらかな海辺の丘で放し飼いにされた羊はここだけしか食することはできません。気のせいかかすかに潮の香りがしました。温前菜の「オムレット」は地鶏の卵で味よく、泡雪のような口当たりで、羊は臭くないもの。オムレツはあくまでも中がやわらかくなければならないもの。と実感いたしました。

 「逢花打花」本場の料理に出逢って素材の良さ、技術の確かさ、盛付とサーヴィスの美しさに触れて満足し、心にしみてよい勉強になりました。
 翌朝、目覚めた窓辺の外に名残のバラが一輪赤く咲いていました。私のとって赤いバラはフランス料理文化の象徴のように想えるのです。何時の場合もフランス料理が絶対ということはないのですが、皆様も、機会があれば旅に出られて料理の
 「はなにあえば はなをたす」の心を味わってみられてはいかがでしょうか///


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