「今、ハンブルグです」
1997/06/04

1997/5/23〜6/1

 前回ハンブルグを訪ずれたのは1995年9月。一年以上お休みしてしまいました。
 前回はお弟子さんたちとドイツツアーをしたあと私は居残りでハウロマンチック2のレコーディングをしました。

  五月といえばヨーロッパの美しさは格別。当初4月末からだったこのプランが一ヵ月伸びて、寒い今年の春にはちょうど良かったようでした。

   5月23日 13:00の日本航空でフランクフルトまで11時間30分。今回は9:40の成田エクスプレスに新宿から乗れば良かったのでかなり楽。どうやら席は満席。両隣はドイツ人。これはかえって気が楽。始めの食事が出て眠ったり映画をみたり、最後には隣のドイツ人と楽しく会話を交し、無事フランク到着。でも、眠いのなんのって。日本の夜中の3時ごろになっているわけですもの。フランクの待ち時間2時間弱、ほとんど椅子に腰掛けて寝ている始末。でも、基本的になにも問題はなく。そうそう、2年前の五月の時はオウム事件で日本中おお騒ぎ。日本から一人でドイツへというとチェックが厳しいものでした。 今回は本当に穏やか////。フランクからハンブルグまで1時間と少し。ちょうど羽田出雲と同じです。ところが何だか異常な眠さで目があかない。困ったものです。飲み物サービスを受けたのにほとんど飲まないで降りました。
 さあて、荷物がやっと出てきて、レコード会社のお迎えが。社長さんとは久しぶり。
でも、ハンブルグはなにも変わっていないよ!!!ほんとほんと!!でもね、前はマクドナルドはなかった。
 今回は、改装仕立てのアパートを用意してくださいました。「古い」と言うことですが、言ってみてびっくり!!!写真ではその素晴しさが表現仕切れないのが残念!!
とにかく天井が高くて窓が大きくて、窓から美しい緑が満喫。カーテンはないけれどどこからも見えないから。そして一階に一つしかお部屋がないから、歌ってもたぶん大丈夫。
さすがに今日は眠い眠い。鍵の開け方を復習して、そうそうこちらの鍵は2回廻すのでしたっけ。そして左に廻してドアが開く。
 そうそうだんだん思い出してきた。でも、フランクでは、お金も買えたし郵便局でテレフォンカードも買いましたよ。12マルク。
  そうそう、前のときは円がとても強くて65円だったのです。今は、70円にどうやら落ち着いて、でも、去年これない理由の一つには円がとても弱かったから。だって75円まで行ってしまったのですもの。
 明日の朝食の材料を買って、もう今日はおやすみなさーーい。明日は、コンディション調整もかねてフリータイム!!!

     ::::::ハンブルグ中央駅にいきました!!!::::::

 わたしって、本当にお天気には恵まれるのです。今日のお天気
「美しい五月のその緑よ♪♪♪♪♪♪」そんな芸術歌曲そのものなんだもの。
昨日私より早くドイツの届いていたファックスによれば、モモちゃん出かけたら、大雨よ。との事。そうかあ!朝新宿を出たときは雨は降っていなかったけれど。
 電車バスフリーパスのチケットをかりて、今日はお買い物。でも、電車とか覚えているかなあ。ドイツ語だってなあんにも復習してこなかった。
 ラールシュティートという駅を出てS4の電車。そうそう、中央駅は少し人種のるつぼ。こちら側を歩いていれば安全だっけ??
 上着がないから少し肌寒い。でも、午後になってくると出かけたときよりは、暖かい。
大きな通り、市庁舎。アルスター湖。分かる分かる。ドイツ語も何だか昔より良く聞き取れる。なあんて片言だけど。
 途中で、スパッツを少し買う。日本にはカラフルなものがあまりないけれど、こちらにはたくさん。ヨーロッパでみて日本に持ちかえると異常に派手だったりするんだなあ、これが。黄色と水色。派手だろうなあ。まあ、ミュージカルのおけいこ用だからね。
 デモが歩いて大変。一番買い物がしやすいのが、アルスターハウス。そして夕ご飯の材料とシャンプーリンス、スプレーを買ったりして、アルスター湖を見学。一本道を入ると、何だか今日はお祭りみたい。
特設ステージでアカペラのコーラス隊が歌っていた。なかなお洒落。それならばあ!と歌ったのではなく、ビールとサンドイッチをハムハム!(なに?ハムハムつて。ハンガリー語でムシャムシャのことだって)
 又、中央駅に戻って!あんまりブラブラしていて、つかれて明日うまくいかないなあんて事になると大変。
 また電車に乗って。そうそう、ついたよ!の電話を母に。ちょうど日本の21:00でした。

 ::::::::ハウロマンチック3のレコーデイング開始::::::

 今回は、モモとしてのCDが4枚目です。ハウロマンチックとして、映画音楽を。。という意見もあったのですが、2の日本の歌が評判がよくてもう在庫がなくなっているそうなのです。そうそう、私も知り合いに言われたのです。始めは、ふーーん。と聞いていると気がつくと一緒に歌っていた。うれしいご感想です。
 今回は、まったくお任せ。何を歌うか打ち合わせなしのドイツ入りです。ここが、日本と違うところ。顔をみて、作るところから一緒に。時間がたっぷりとれるから可能な事。歌手冥利につきます。
 11:00スタジオいり。まずは、荒城の月。私は、この曲が大好きです。コンサートでたしか着物で歌ってすごく暑かった事を思い出します。
 でも、CDというのは、演奏方法がライヴとまったく違います。一曲が勝負なのではなく、その一枚を聞きとおしてもらって、気持ちよく、また頭から聞き返してもらえるようにしなくてはいけません。
 そうだったそうだった。この柔らかく息を混ぜる声。これが本当言うとえらく「えらい(出雲弁でつらいこと)」のです。出来たらお聞きください。本当にこの声大変なの??という感じですが。1年以上の時が結構、効を奏しました。まあ、年齢が進んだということかな?なあんて思いますが。このテクニックは発声道場が続いたとして 第4期位にお伝えするような内容かな、なあんて考えたりしていました。
 そして少し休憩。お昼を食べて、今日はハンガリー料理のスープ。そしてピザ。おいしい!宵待草。これも録音になるとえらいえらい。そして私のレパートリーではありませんが さくら貝の歌。うたってみるとよい歌だし、難しい。最後は 雪の降る待ちを。この曲が希望に満ちて表現できたのです。雪は、本当に明るいもの。これは山陰の風に舞う雪をみることが出来て感じたことです。私は、よく羽田から最終便で出雲に入りますが、飛行機が到着してしばらくして雪が風のなかでダンスをするように舞うのを何度かみました。
 本当にうきうきするくらい、美しい。その風景が歌っている間中浮かびました。
私は、今回、本当に日本人でよかった!とそして確実に日本の歌はその郷土から生まれていることを本当に実感しました。
 ふむふむ、一日4曲とはよくできました!と褒められてうれしくなって、一日目終了!!明日は14:00入です。
 スタジオからアパートまで歩くと、15分、ピヨピヨ鳥が鳴いて、大きな木が茂る小路を抜けて、小川には鴨のつがい。

 でも、夜22:00まで暗くならないこの明るい夜をすごすのはなかなか精神力が必要です。今回は友達Macintoshとそうとう仲良くなれるだろうと。ほとんどの時間はコンピューターの前です。時間がこれほどゆっくり流れて行くときを大切にしなくてはいけません。1400君なので、お気に入りCDをエンドレスで私も自分の世界に浸ります。
 今回は仕事だけ!と完全に決めているので、東京も島根もドイツも同じ感覚です。この環境にすごく心は喜んでいるようです。

 日本に電話をしてみました。12マルクのカードはあっという間になくなって、やはり遠いのだと実感です。昼と夜が反対です。そう、ここまで、すべての環境が違う。このあたりから、今回アジアを考え出すきっかけになっていきます。

 さあ、2日目。今日は、なんと、母さんの歌から。この日はスタジオの一階にウインターテラスをつくっていて、工事の人達が私を見ようと(!!??)待っていました。ドイツのマイスター制度。こういう職人さんたちは勉強家です。でも、みいんな大きい大きい。これでは「モモ!!」とは子供に言うように言われても仕方ありません。

 さあ、母さんの歌が始まりました。ドイツには決して存在しないマイナーなメロディー
どう思うのでしょう。みんな、なんて美しい曲なんだ。と言ってくれました。
そうそう、私もそう思いました。空気のなかをスーッとなびくような物悲しいメロディーです。でも、今回この歌がこんなにも希望と元気に満ちていると始めて知りました。
「根雪も溶けリャもうすぐ春だで畑が待っている」本当にそうです。
そしてもう一曲は、花嫁人形。そして2にもいれてありますが、中国地方の子守歌をアカペラで。独特の間が出来ました。そう、何だか、悪魔が来たりて笛を吹く。という言葉を思い出しました。
 着物の赤い色が脳裏を横切ります。この赤はヨーロッパにはない。赤じゃない紅。
東洋的//そんな言葉はすでに今死語じゃないでしょうか。でも、たしかに東洋的という事があるとすれば、この感性の事でしょう。そしてそれは素晴しい!!
 また、考える材料を神様がプレゼントしてくれました。
 あしたは?そう、明日は15:00開始。
昨日少し寝不足だったので今日は日の入りと同時に寝ましょう。大きな窓は、自然と眠れるように照明をフェイドアウトしていってくれます。本当に寝てしまいました。そして起きたら 5:00。なあんだか、東京では考えられないこの生活。

 起きてしまったら、結構平気なものです。7時まで待って朝食を作り、そうだ、テレカを買いに行こう、何かあったらスタジオに電話して助けを求めなくてはいけません。
いやあ、今日はすごく寒い。これでは冬です。こまったなあ。でも、とにかくきっと
8:00には早起きの国だから始まるはず。たどり着くと、なぜか暗い、へんだなあ。大きなおじいさんに聞きました。「人は、どこでテレフォンカードが買えるのですか」本当にドイツ語の表現とはこんな感じなのです。
 あっちで売ってるよ。「早すぎたのですか?」はやくないよ。でもーーー。まあ、そう言われたからには仕方がありません。行ってドアを開けると閉まってます「ZU(ツゥー!)」はり紙がありました、「申し訳けないけれど、今日だけは 14:00から開けます」本当に申し訳ないですねえ。仕方ないですねえ。もうモモリーは、あきらめてアパートに戻ります。そうか、神様が仕事をせっせとするように!という事なのだ。と理解しました。

 まず、何から?そう、ビリオネアにために台本を仕上げなくては。ここから始めましょう。日本の場合、曲をつくったり台本を書くときは、まず部屋のかたずけかた始める私です。かたずけているとちゅうに、メールの確認をしたり、返事を書いたり、これが又ちっとも仕事に入れないわけです。昔から文通大好き人間にとってこのメールがたまらなくいとおしい存在になっているわけです。
 文字だあいすき。実筆はもとよりこの活字が。何だか話しがそれました。
普段はそうなのですが、ここはもうかたずいています。そして電話がないということはメールが出来ないと言うことです。
変換のモジュラーを使えばいいのかな?今度どなたかご指導下さいませんか?又数ヵ月後には来そうなので。  「青ネコランド」この第一幕を仕上げました。来年の2月か3月上演。もうけいこをはじめなくてはいけません。
 内容は、まだ内緒。これだけの出演者どうかかわってどう展開するの??それは私が聞きたいよお。でも、チェスの駒を進めるようにはまっていきます。書いていて自分自信がへえ?そうなるの?なあんて感心して。へんなの。
 これでひと安心。あと8月の分と10月の分と。なあんだ一番後回しで良いのじゃないの。そおんなもんなのです。
 来年1月のお話しのあらすじは考えました。悲劇になってしまって自分の作品で泣いていました。こうなると本当に私はへんな人です。

 さあ、今日の録音。月の砂漠。よく、この曲が歌いたいです。というご希望をいただきます。私は自分のレパートリーではありませんでした。短いコーラスが4番までそしてコーダ(オマケ)があります。
 月の砂漠をはるばると、旅のらくだが行きました。(旅、、、と言っています)
 最後には月の砂漠をとぼとぼと 二人はどこへ行くのでしょう。砂丘を越えてひたすらにだまって、、、そして二人はおそろいの白い上着を来ている。王子様が金のくらに銀のかめ、あとからお姫様は 銀のくらに金のかめ。それぞれひもでつないである。
 風景と想いは交錯します。中学2年のときの事です。まさか砂丘をよじ登ると海があるなんて思いもしないで登って行きました。夕方です。息が止まるほど美しい海がそこにありました。この王子様とお姫様は、海に帰った。そんな気がして歌っていました。
そして、やしの実。今回の録音で始めてのメジャーキーです。ドイツではありえない事でしょう。マイナーキーの歌がほとんどないのですから。演歌は、マイナーキーしかありません。でも、これが日本でしょう。そうはっきりおもいます。
 町の人々をみても文句なしに美しい。髪のいろ肌の色。空気は乾いているし、特にこのハンブルグはクーラーがない。冬はさむいけれど、雪は降らない。
 スーパーで今流行のCDを買いました「愛の歌」と表題されています。ジャケットは又美しい女性です。聞いてみました。なんと明るい。やっぱりビアホール的なポピュラーでした。

      ::::水曜日:::::お休みです:::::

 中央駅とは反対の方向へ行ってみました。バスに乗りました。今朝から、オリジナルの自分のための歌をつくろうと、詩を一つかきました。そして残っていた「青ネコランド」のなかの曲の詩をかきました。気がつくと10:30。お掃除をして洗濯をして、今朝は比較的ゆっくり目が覚めました。7:40でした。昨日は、22:00に一度寝て、1:00に目が覚めて、3:00に再び眠りました。心地よい眠りです。
 今日は、買い物に目的がありました。旅行鞄を買うことです。毎月東京島根を往復する間の私の荷物の旅はものすごいものです。どうしても手元に置きたい資料が山ほどあるからです。とうとう、滑車が壊れてしまいました。前回7000円くらいのものです。普段私が引っぱり廻している鞄はハンガリーで買って3000円。この大きい鞄は、ヨーロッパで買うべきです。まず、食事をして。ワインを飲んでしまったらもう眠い。パスタも量がすごく多い。今回始めての外食。19マルクなり。
 ありました、いいのが、なんと21マルク。かける70円。驚きです。この鞄の3兄弟の真ん中とちびを買いました。真ん中はもう少し高いですよ。そして、もっと大きくてしっかりとしていて送れるのは、それでも10000円位。3つを入れこにして。銅鐸みたい!!ころころもって帰りました。バスのなかでは熟睡。おかげで気分爽快。
残す仕事を少しでもしあげなくちゃ。
 あと2日間、何を録音するのかな??

:::::::木曜日と金曜日::::::::::::

 さあ!録音も最終段階。今日は、少し寝坊さんです。8:00起床。
午前中は、台本をもう一つ書こうと心に決めていました。まだ何も、粗筋など考えていません。
 さあ!!集中!!!
まず、どこの国か、時代はいつごろか。テーマは何か!!
 またまた一つ出来ました。粗筋だけですが、これが出来れば、出来たような感じです。4時間、Macintoshとのお話しが続きます。そして気がつくとでき上がりました。今回の作品は大悲劇。まるで、映画を見るように、悲しくなりました。
 又、作品になったらそのお話しはゆっくりしますね。

 今日も15:00入り。カフェでコーヒーを立ち飲みです。
 今日は、何と五木の子守歌から。これが、難しい!!何が難しいって、リズムです。
 これは九州の民謡から楽譜になっていますが、民謡はみんなが慣習的に歌うものをあとから起したものですから、本当の作品は 拍子がいろいろです。私も気がつかなかったのですが、4拍子だったり3拍子だったり。
 歌抜きのオーケストラだけが始めに出来ているのですが、ストリングスだけのバックなので、合わせるのが難しい。ストリングスは、ゆっくり音が立ち上がります。その立ち上がった音に合わせると、遅れてしまいます。  聞こえる音と刻むタクトが違うわけで、その両方の接点でこちらも歌の立ち上がりを遅めに歌わなくてはいけません。
 でも、3回目にはOK!!!
 今日は、日本の歌といえば全世界にすぐわかってもらえる、サクラサクラ。そして故郷。ドイツ人が2人。見学していましたが、この故郷にはとても共感してくれました。
 私も、この曲がこんなに素敵な曲だとは。再認識!!!帰りは、このドイツ人のご夫婦に車でアパートまで送ってもらいました。  シュトローエンの古い形。うれしくて写真をとりました。
 お仕事最終日です。今日は、14:00入り。今日で最後だよ!!のママコールを日本まで。元気元気!!!ちょうど日本の21:00です。友人からのファックス。ドイツって、枝つき干葡萄があるってほんと?とかハンブルグはハンバーガーの出生地ってほんと?とかヘブライ語の聖書買ってきて!とか、無理をいう人です。結局、どの申出もクリアできませんでした。マクドナルドが出来るのがこんなに遅い土地、ハンバーガーとはかんけいありませんそうですよ。
 今日は、七つの子、そしてペチカです。七つの子は7匹の烏の子供ではなくて、7歳の烏の子供と言うから あら!不思議。7歳は子供なのかな?烏の寿命は何年何だろう。とか、そうそう、私の知り合いもピアニストは烏が大好きで、鳥の図鑑でいつも烏は最後のページだって起っていいたっけ!!聞いて見よう。
夢夢しい、七つの子。そして暖かいペチカが出来ました。このこの曲がCDの最後になりそうです。今年もう一枚録音しようという事になっていますから、次回の予告的に!!

そうそう、今回のジャケットはこの間出かけた、大根島のボタンが採用されました。
今日は、お仕事最終日。社長さんの手料理、ハンガリー料理で一緒に夕食。
 本当にプレスアップが楽しみな作品ができました。
            聞いてくださいね!!

:::::::::そして最後の土曜日と日曜日::::::::::

 最後の日、17:00発の飛行機で日本へ。成田到着 15:00。じっくりゆっくり眠って、9時間の時差を飛び越えて!!!リムジンバスでホテルニューオータニ到着。一緒に乗っていた外人さん達は泊まるのに、わたしはゴメンナサーーイとタクシーで若葉へ!!今回は一日で時差をなおそう!!と思っているのですが、どうかな?

     次は、夏に!!なあんて言われて帰ってきたモモリーでした。

   
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