2月26日(水曜日)


 今日が水曜日で良かった。何で良かったのかは、私なりに説明がつけられる。

 学校からの帰り道、時間ゲームが私の楽しみだった。あと少し早くあそこを歩けたらもしかしたら違う世界にいけたかもしれない。ほんの少しの時間のすき間に入れたかもしれない。
 そうなると、もう私の時間旅行はとどまるところを知らない。

 今年もまたアネモネの季節になった。お互い相反する「赤と青」のまじり合う世界。どこまでも墜ちていく感覚がアネモネにはある。この時間旅行は、私をアネモネの砂にさそった。あと1コンマずれた時間を歩いたとき私は 限りない海にたどり着いていた。
 いつもの道が「なぜ」
 でも、私にはその「なぜ」は必要なかった。
 いつもの広場に アネモネの砂があったから。指の間から さわやかに去っていく砂を心地よく見つめていた。

 いつもの。。。そうこれはいつもの。

 赤が極まり 暗黒へ。青が極まり 透明へ。

 その海は、こんなとこにあるはずないものでなくてはいけない。あたかも地球の中に存在するように。空の色と同化しなくては。境目があってはいけない。それも地球の中の空でなくては。

 アネモネの砂は、やはり私を誘った。指の間から落ちていきながら。
      そのままで、そのままでいいと。

 水曜日は、限りなく自由な 何かをはっきり伝えてくれる。

 だから今日は水曜日で良かった。


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