よせなべ物理
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1996/11/14改

物理実験集「よせなべ物理」




 埼玉県の高等学校の物理の先生方が作った実験集です。直感的で、意外性があり、イメージがつかめる実験を多く収録してあります。次の方針に従ってまとめられています。
 (1)物理の全分野からなるべくたくさんの実験を集める
 (2)実験を成功させる秘訣をまとめる
 (3)実験の出典を明らかにする
 (4)実験材料の入手先を明記する。

  編集:埼玉県高等学校理化研究会 物理研究委員会 実験班
  転載&インターネット版作成 北村俊樹(東京都立上野高校)

目次


力学編:58実験
 1.静止の慣性
 2.静止の慣性2
 3.力学滑走体
 4.電車でジャンプ
 5.慣性質量
 6.慣性力
 7.フーコーの振り子
 8.構造と力
 9.浮力の働き方
 10.浮沈子
 11.逃げるストロー
 12.スライム
 13.鉛をくっつける
 14.何でも弾性
 15.大きい風船・小さい風船
 16.表面張力と弾性膜
 17.水表面の場モデル
 18.張力の大きさ
 19.物体の重心
 20.重心と支点
 21.重心、支点、作用点
 22.重心の運動
 23.坂を登るロート
 24.力のモーメント
 25.水ロケット
 26.粉じんロケット
 27.作用反作用の法則
 28.ばねの伸び具合
 29.作用、反作用
 30.作用、反作用、力の釣り合い
 31.割れないコップ
 32.質量、力、加速度の関係
 33.連結台車の張力の大きさ
 34.摩擦
 35.摩擦の役割
 36.摩擦と分子間力
 37.摩擦角
 38.ビー玉の玉突き
 39.運動量保存
 40.カバーグラス割り
 41.弾性衝突、非弾性衝突と力積
 42.はね返り係数棒
 43.スーパージャンプボール
 44.自由落下
 45.鉛直落下と水平投射
 46.モンキーハンティング
 47.無重量状態
 48.運動の第2法則の変身
 49.単振り子
 50.ばね振り子
 51.単振動と等速円運動
 52.連成振り子
 53.長さの違う振り子
 54.スポンジの振動
 55.伸びたバネに蓄えられる量
 56.ストローの吹き矢
 57.回転の勢い
 58.車輪の回転

熱・分子運動編:37実験
 1.温度くらべ
 2.燃えない紙
 3.炎を切る
 4.熱放射
 5.液体窒素
 6.液体酸素2
 7.ラジオメーター
 8.ランダム台車
 9.ブラウン運動
 10.牛乳のブラウン運動
 11.お茶のブラウン運動
 12.平和鳥
 13.融けた鉛
 14.水温を上げる
 15.圧気発火
 16.断熱膨張による霧の発生
 17.ドライアイスの液化
 18.ヘロンの熱機関
 19.アルコールエンジン
 20.釘乗り
 21.息で人を持ち上げる
 22.ゆで卵の出し入れ
 23.水圧の方向
 24.水圧ジャッキ
 25.圧力と弾性膜
 26.圧力の大きさ
 27.パラフィン浮上せず
 28.アクリルビーズで浮力
 29.大気圧
 30.大気圧の働き
 31.簡易マグデブルグ半球
 32.トリチェリの実験
 33.缶つぶし
 34.減圧沸騰
 35.裏返し風船
 36.ブーメランを飛ばそう
 37.流体の速さと圧力

波動編:35実験
 1.ストローすだれ
 2.縦波を作る
 3.水波観察装置
 4.煙箱
 5.エコーマイク
 6.質量と音
 7.チンダル現象
 8.夕焼けはなぜ赤い
 9.水波の屈折・反射
 10.光の全反射
 11.水流内のレーザー光
 12.色の識別
 13.黒体
 14.水波の回折
 15.簡易型水波の干渉
 16.光の干渉
 17.光の回折・干渉
 18.反射型回折格子
 19.うなり
 20.偏光偽壁
 21.ストローの偏光板モデル
 22.反射光の偏光
 23.散乱光の偏光
 24.鉱物と偏光
 25.セロテープのステンドグラス
 26.旋光性
 27.ドップラー効果
 28.音叉の共鳴
 29.共鳴箱の役割
 30.開口端反射
 31.ストロー笛の音階
 32.せみ笛
 33.定常波
 34.弦の定常波
 35.縦波の定常波

電磁気学編:51実験
 1.摩擦静電気
 2.空き缶帯電体
 3.どんなものにも電気が起きる
 4.吊り下げ式静電クーロン力調べ
 5.帯電シャボン玉
 6.箔検電器に電気をためる方法とその種類の判定法
 7.簡易電気盆とミニライデンビン
 8.電気振り子、箔の空中遊泳
 9.電気振り子
 10.摩擦電気は何でも吸い寄せる
 11.吸い寄せられる水
 12.水面の1円玉とマッチ棒
 13.静電気と動電気
 14.静電気スタータ
 15.電気力線の観察
 16.イオンの動きで電界を見る
 17.導通テスト
 18.電気パン
 19.ゼネコンで発電
 20.火で電流を流す
 21.コンデンサーの電気容量
 22.コンデンサーの容量リアクタンス
 23.コイルの誘導リアクタンス
 24.磁気カード
 25.ネオジウム磁石
 26.吊り下げ式弱磁性体調べ
 27.反磁性
 28.磁気誘導
 29.磁石積み木
 30.消磁・着磁
 31.電磁力1
 32.電磁力2
 33.電解質溶液が磁界から受ける力
 34.相互誘導
 35.自己誘導
 36.うず電流
 37.UFO降下
 38.電磁調理器
 39.積算電力計
 40.合成抵抗
 41.抵抗の並列・直列接続における消費電力量
 42.オーム抵抗と非オーム抵抗
 43.フィラメントの抵抗値の温度依存性
 44.半導体(ダイオード)の抵抗値の温度依存性
 45.直列交流回路の共振
 46.並列交流回路の共振
 47.RLC直列交流回路の実効値
 48.交流回路の力率
 49.電子レンジで蛍光灯
 50.三段アンプ
 51.放送衛星までの距離を測る

原子構造・原子核・放射線編:10実験
 1.蛍光と燐光
 2.光電効果
 3.ナトリウムの発光・吸収スペクトル
 4.炎色反応
 5.様々なランプと線スペクトル
 6.原子と磁性
 7.身の回りの放射線
 8.空気GM管
 9.簡易放電箱
 10.原子核崩壊

その他:4実験
 1.ストロボをあてて現象を見よう
 2.風船の串ざし
 3.聴診器で音の方向を調べよう
 4.不思議なひも

物理実験集の作成経過
            物理研究会委員長  岸沢真一
 物理研究委員会では数年前、県下のいくつかの高校に依頼して、物理の力学分野の基本的な概念(質量、慣性、力など)がどの程度理解されているか調査をしました。集計してみると、予想されていたこととはいえかなり低い正当率でした。対象となった高校にはいわゆる「学力」に相当な格差があったはずなのですが、学校間での差もあまり見られませんでした。入試に出るような難しい計算間題は解けても、ごく基本的な問題さえ解けない。我々物理教員として大いに反省しなければならないところです。
 さて、これを克服するにはどうすればよいのか、古くて新しい間題ですが、やはり実験が大きな役割を担ってくるのは間連いありません。それも伝統的な、データをとって計算をし、法則なり、公式が正しいことを確かめるといった実験よりは、直感的で、意外性があり、イメージが掴めるような実験の方が効果的だと考えます。このような実験は最近様々なところで考案され発表されていますが、本委員会の実験班でも、研究会の度に実験を持ち寄っては検討を重ねてきました。そして、ある程度集まったところでまとめてみようということになり、平成5年度に暫定版として冊子を作成し、物理研究委員会で配布しました。その後も実験の収集を続けてきましたが、そろそろ一区切りをつける時期に達したと判断し、正式版としてこの実験集を発行したわけです。

 この中に収録されているほとんどの実験は、オリジナルというよりもすでに発表されている実験のなかから、委員が実践し、おもしろそうだと思えるものを集めたものです。授業ですぐに使える実験を集大成してみたい、それもあまり大がかりにならず手軽にできる実験を主体に集めてみたい、そんな意図からこの実験集は作成されました。

 この冊子を縞集するにあたり、我々は次のような方針をたてました。
(1)物理の全分野からなるべくたくさんの実験を集める。
  書籍、研究会、サークル紙などから、できるだけ多くの実験を収集するように心がけました。「困ったときのこの一冊」として使えるようになればと思っています。また類似の実験も、使う人が選択できるようあまり取捨選択せずに戟せました。
(2)実験を成功させる秘訣をまとめる。
  実験書のとおりやってもうまくいかない、よく経験することです。誰がいつやっても成功するよう、コツといったものも載せました。
(3)実験の出典を明らかにする。
  ほとんどの実験がすでに発表されたものを、自分達なりに消化したものですから、その出典も明記しました。ただ、初出の原典にまでさかのぽるのは困難なため、我々の目についた文献のみを載せました。御容赦ください。
(4)実験材料の入手先を明記する。
  いざ実験しようとしても材料をどこから手に人れたらよいかわからない、これもよくあることです。なるぺく入手先もわかるようにしました。

 実際にこの冊子を利用していただき、少しでも授業のお役にたてば幸いです。そして間題点やご意見などあれば、どしどし物理研究委員会の方へお寄せ下さい。最後になりましたが、この実験集作成にあたり、ご指導いただきました越谷西高校校長・藤倉済先生、上尾東高校教頭・佐藤敏彦先生、南教育センター・鈴木利夫先生に感謝申し上げます。


編集後記
 この実験集を作り始めてから足掛け3年がたち、ようやく一応の完成を見ることになりました。今回最終的な編集をしていて気が付いたことがあります。2年前までに自分がやっていた実験と、今、授業の中で扱っている実験とはずいぶん異なるものになっているのです。それは進歩したとか退化したという次元の問題ではなく、傾向が違うものになっているように思います。ですから、始めの頃に書いた原稿は、今では使わなくなってしまったものもあります。それではその実験は時代遅れの古いものになってしまったかというと、そうとも思えません。生徒の事情、反応、その他諸々の原因によって、授業はあっちこっちに寄り道をします。扱う教材もその度に変わり、自然と毎年カリキュラムは変わります。以前はある法則を教えるために最適な教材は何か、竿的なカリキュラムは何か、と夢想したこともありますが、どうもそのようなものは見つからないようです。生徒との対話、レポートや答案を読む度に、授業の中身もいつもふらふらと変わっていきます。ですから、数年後に、授業の成り行きによっては、また同じ実験をやっているかも知れません。
 この実験集は、今まで埼玉県内の多くの先生方が行ってきた実験、散乱していた情報を不完全ながら1冊にまとめたものです。どの教材を使うのが一番良いのか、などという研究はしてありません。しかし、実験の量は豊富にありますから、校務に追われて忙しい先生方は(忙しくない方はいらっしゃらないでしょうから)この中から状況に合わせて教材を選べるでしょう。また、今後の教育技術の進歩に合わせて教材も発展していくと思います。そのような研究のためにも、様々な情報をまとめた資料は有用でしょう。この本が今後の教材開発のための1つのシーズ(一粒の麦死なずんば)になれば幸いです。
 最後になりましたが、埼玉県理化研、特に物理研究委員の先生方には多大なるご援助をいただきました。また、一昨年の暫定版の発行、今回の編集に際して、吉見高等学校の生徒たちは、快く協力してくれました。多くの方の協力でこの一冊が発行されましたことを、たいへんうれしく思い、また感謝いたします。
               1995年9月1日
               文責 石井登志夫

 編集: 埼玉県理化研究会 物理研究委員会 実験班
    岸沢真一(越谷総合技術高)  飯島 正(浦和高)  関口知彦(浦和高)  深田利夫(浦和工業高)  湯口秀敏(浦和第一女子高)  荒 文夫(深谷商業高)  田端健治(深谷高)  千葉正廣(熊谷西高)  石井登志夫(吉見高)

 転載 & インターネット版作成:  北村俊樹(東京都立高島高校)
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