映画館がやってきた!

なぜ「からから亭シアター」は移転したのか

〜 2001.9.24 吉日。 やっぱり映画は大画面だよ 〜

来し方

 これまで「からから亭」の機材(プロジェクター)の変遷は  と進化してきました。スクリーンも代用スクリーンから、OSの 90インチ・ウルトラビーズというしっかりした質感の出せる スクリーンになり、音は5.1ch、LDからDVD時代になって質的には 映画を鑑賞する上で不満が出ることはほとんど無くなっていました。
 特にVW10HTを導入してからは妻から「暗い!」と指摘される こともなくなり、ちょっと明かりを灯しての鑑賞会パーティーなども わりと頻繁にやってきました。
 一方で、ワイド画面プロジェクターを導入したことにより、4:3画面が 90インチから80インチ弱に縮小したことと、ワイド画面では上下が 大幅に余ること、大画面でも、シネスコはやはり小さいことが気になっ ていました。スクリーンを何とかしたい。
 とはいえ、我が家のスクリーンは左右にLRスピーカー、サブウーファー、 AVラックを置いた残りの巾全てを使うギリギリのサイズで、拡張の余地は ありません。
 さらに言えば、画面左のソフトラックは黒布で覆い、画面右の壁面は エアコンから下に紺のカーテンを吊ってソフトな暗黒化を果たしている といっても、視覚的に両側に壁が迫っている圧迫感があり何となく窮屈 な感じも有りました。

 「結局今の部屋は狭い」
 諸悪の根元はもしかすると「シネマスコープ」かも知れません。 なにしろ、4:3スクリーンで鑑賞する場合、4:3画面の作品に対して実質 半分の面積しかないのですから物足りないのは当たり前。4:3の画面の 高さを保ったままワイド化するには、最低110インチのスクリーンが必要 です。110インチワイドならシネスコの時も、90インチ4:3でビスタを見ている ときくらいの高さは取れるでしょう。
 プロジェクターをズームすると、絵はスピーカーに掛かってしまいますが、 ぼんやりとさらなる大画面の世界が浮かびます。

 そんなある日、ごく近場に新築マンションの建設が始まりました。
 それまでも、近所に出来るマンションのモデルルームには「娯楽」の 一つとして冷やかしていましたが、私の心の中には「広いリビングが欲しい」 その目標がくっきり焼き付いていたのでした。

■モデルルーム

 現在のシアターは、約3.5m*4.5mの長方形のリビング。
 「"妻も納得"のリビングのインテリアに自然に馴染むホームシアター」を 標榜しているからから亭ではやはり「リビングシアター」。
 幾つもあるモデルルームを見ていくと確かに広くて素敵な部屋ばかりだが、 シアター向きというとこれが無い。そもそも「モデルルームにはTVが無い」
 TVはインテリアのおじゃま虫とはよく言うが、現実にTVを置かない リビングなんて無い。角部屋で二面がフルにガラス張りのような素敵な部屋 を見ると、どこにも家具を置く壁面がないのに唖然とする。
 コーナーに立派なソファを置いて、センターにテーブル。部屋の反対側 にはダイニングテーブル。しかしソファのある壁面は普通TVを置くだろう。
 プロジェクターを置くことを考えても、まず窓の面をスクリーンと考えると、 窓側に二部屋確保するプランは窓の巾が4m弱で今の部屋と変わらない。
 窓を広く取るタイプでは、巾は5〜6mあるが窓に沿って細長く、たいていは 和室が食い込んでいるため奥行きが3m台で引きが取れない。

 今時のデザインのリビングで、シンプルな長方形の大部屋というのは どの広告を見ても見あたらない。
 最低限条件は

 以上5点。
 難しい物だ、と思いながらも妻のピアノを置くetc.の他の目標もあって モデルルームが模様替えするたびに通っていると、通常リビングの続きの 間のようにして設けられる和室を無くして納戸にして引っ込めたオプション が新設されました。
 これはまさに我が家が求めていたカタチ。
 今までは3LDKの二室を潰して「本・CD・DVD」と「衣類」を収納していたけれど、 「本・CD・DVD」を納戸に、「衣類」をウォークインクローゼットに収納 すれば新たにまるまる一部屋確保できて、リビングは+4〜5畳の広さ。
 リビングはダイニング部分がL字に飛び出た変形となるので音が良く ないのは覚悟する必要があるが、窓面は5m以上、引きもギリギリ4m強 取れる。
 110インチ・スクリーンが入る!
 (ついでにピアノも置ける)

 かくして、遠い夢だと思っていた「大画面のはいるリビング」が現実の カタチとして目の前に現れるともう、買うしかないんじゃないでしょ うか?
 そういうことです。
 お金はまあ、何とかなる。今だってマンションのローンを払っているのだから 月々の支払いは変わらないし、頭金も無いことはない。買い換えの充当金だって 充分足しになるはず。ジャンプだ、清水ジャンプ。

 大音響を求めるなら「一戸建て」しか無いですが、東京まで20分の生活も 変えたくない私たちにとっては、これが最高の選択。
 どんなに小さな部屋でも映画は楽しめるけれど、数千万円をホームシアター に投資するとしたら「快適な部屋」を手に入れるのが、たぶん機材の性能の ためにごんごんお金をつぎ込むより正解だと思うのです。

行く末

 江戸川のほとりの新しい部屋は、窓から関東平野が一望できます。
 電車の音がけっこううるさいとか、部屋が変形だとか、床が弱いとか、 オーディオ的には以前のコンクリートにカーペット敷きの簡単な構造の マンションの方が良かったと思いますが、それをカバーしていくのは 今後のお楽しみ。

 眼下の東京の夜景にスクリーンを下ろすとリビングシアターに早変わり。
 今はまだ今まで使っていた90インチ・スクリーンの流用だけれど、 取りあえずプロジェクターを4:3モードで使って110インチ・ワイドが 入ってくるのをイメージ。
 スピーカーだって、新スクリーンをお迎えできる 位置に置いてある。
 これから安楽な椅子も必要だし、ど〜んと1,000タイトルくらい収納できるDVD ラックも欲しい。だけれど、最大のハードである部屋は手に入ったのです から、それらはじっくり選んでゆっくり整えていくことにしましょう。
 『からから亭ホームシアター』の今後を見守ってください。


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文:唐澤 清彦 映画館がやってきた!