法泉院宝物駕籠復元展示
【駕籠の由来】
昭和初年頃まで当院住職の公式法務から葬儀まで、駕籠に通された一本の轅(ながえ)を檀信徒六名よって担がれ、各地まで巡拝されていた法泉院寺宝の籠は十六弁の菊の御紋を頂いた歴史的文化遺産です。
江戸期には参勤交代の諸国大名行列と西国街道で対面しても、天皇勅願寺院である念仏山の駕籠は、菊の御紋を掲げていた為、大名行列側が道を譲り、住職はそのまま往来出来たと伝えられています。
この駕籠は旧法泉院庫裏天井に吊られ待機状態にありましたが、戦後保存の為に箱に収め通用玄関の土間に安置されていました。
昭和五十年の法泉院庫裏解体新築工事より納屋に保管され、平成十八年一月の新館増改築落慶に伴い原型損なわず本漆塗り、元の金具に鍍金を施し復元、再び貴重な文化財として展示公開に至りました。
平成十八年四月八日潅仏会設置
念仏山法泉院第二十一世住職 慶悟
【外装仕様】
一、本体黒漆塗り、蝶番金具金箔鍍金
二、菊の御紋(前後額部二個・簾三面各一個)
三、天井跳ね上げ絡繰り両開き
四、扉左右両面引き戸開き
五、簾(すだれ)正面左右三方巻上開き
六、轅(ながえ)吊り金具天板に二カ所
【内装仕様】
一、座席(半帖畳敷一名乗り)
二、窓 (正面上下・両横左右障子開き)
三、座布(左右肘掛け、背部クッション)
四、前机(跳ね上げ式)
五、花瓶(正面机中央一輪差し)
【寸法仕様】
一、轅(ながえ)全長 四五六、五センチ
二、駕籠(かご)全長 一三四、五センチ
全幅 八七、八センチ
全高 一0三、五センチ
三、人力担ぎ手 前後 三名(計六人仕様)